つぶやき およそ想像はつきますが

こんな本が世の中にあるとのことです。

別に購入してまで読むほどでもないでしょう。

悪い体制が 変わるわけでもないし。


レビュー対象商品: 司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書) (新書)
本書は、司法の独立という幻を見事に打ち砕いてくれる、快著である。具体例も挙げながら非常に分かりやすく書かれているので、広く一般の人にも読んでもらいたい。司法行政が下位の裁判所に示した、裁判官の人事評価サンプルなども載っており、興味深い。

裁判官はそれぞれ独立したものとして判断を下すべきである、という建前はあるが、実際は最高裁事務総局を頂点とする行政機構によって縛られており、独自の判断などは望むべくもない。10年毎の任命権を握っている事務局に嫌われたら、弁護士へと下る他はない。

独立した司法とは言っても、予算は財務省に仰がなければいけない。また毎年、2割程度の裁判官が、法務省訟務局に出向しており、そこで国の弁護を担当している。検察庁に出向する裁判官もいるし、裁判官の法令解釈を絶対的に統制するために存在する、裁判官合同・協議会では、法務省の官僚や、検察官が数多く参加する。

何のことはない、裁判所は行政や、検察庁と密接に癒着しているのである。もし正義感に溢れた裁判官がいても、便宜上、最高決定機関とされる最高裁判官会議の決定に逆らうべくもない。ヒラメ裁判官と呼ばれるゆえんである。

他の官僚組織と同じように、最高裁事務総局を経て、最高裁判官になれるエリートは一握りであり、判事補になって2〜3年で、局付けに抜擢され、他の有象無象の裁判官とは異なったキャリアを築いていく。彼らはろくに裁判の経験も経ずに、他の裁判官たちを統治するのである。

戦後になって司法省は消えたが、官僚的統治機構や行政機構との癒着が厳として存在し、行政訴訟や、国策捜査の案件などについての公正な裁判は、決して望めないのだ。本当の改革が望まれる。